街角ウォッチング
大川原高原(徳島県名東郡佐那河内村)

毎年恒例の夏の展覧会が終わりました。何かをやり遂げた後、お疲れさまの声と一緒に飲むビールの味は最高です。それまでの苦労や疲れが一気に吹っ飛んで心地良い満足感に浸ることができます。しかし今回ばかりは、疲れ過ぎた私の体、ビールだけでは癒せません。よーく冷えたおいしい空気とのんびりタイムが欲しくなりました。涼しい高原で寝っころがって雲でも眺めることにしましょう。

早速、以前から一度行ってみたかった佐那河内村の大川原高原に向かいました。徳島市内から車で走りはじめて十五分もたたないうちに、回りの景色はすっかり緑一色。まずは情報収集にと立ち寄った村役場。ここで大川原高原のことをいろいろ教えて下さったのは佐藤光一さん(48歳)。なんとサンルーフ付きの車で案内していただくことになりました。

車の窓を全開にして、緑の香りさわやかな風を全身に浴びながら、山道を上り始めるとどんどん視界が広がってきます。見る見るうちに町が小さくなっていきます。手を伸ばせばとどきそうな真っ白い雲、ひんやりと澄み切ったおいしい空気、サンルーフから身を乗り出して子どものようにはしゃいでしまいました。

大川原高原頂上付近からのながめは、まさに360度のパノラマ。徳島市近郊はもちろん、大鳴門橋、遠くは淡路島まではっきりと見渡せます。徳島市内から車でわずか40分ほどで着いてしまう大川原高原、標高1,019メートル、気温はなんと22度、そこはもう別天地です。

草原では牛たちがのんびりと草を食べています。私も良く冷えたおいしい空気をたっぷりとごちそうになって、牛たちとのんびりおしゃべり、しっかりと心の栄養補給ができました。

グリーンツーリズム(都市と農村の交流運動)の指定村に選ばれている佐那河内村。閉鎖的になりがちな村をどんどんPRしていきたいと意欲的に語る佐藤さん。その隣で自然の良さを残しながらの施設整備はなかなかむずかしいと苦笑いする村の産業観光課長の伊藤さん。それぞれの立場の佐那河内村があるようです。

とりあえず私にとっての佐那河内村は明日からの仕事に向けてのエネルギー源になったことは間違いないようです。佐那河内村の自然と親切な人々、それに高原の牛たちに感謝します。

1996年8月掲載


思い出して一言

佐那河内村には2度行くことになってしまいました。最初に行った時には村役場あげての歓迎で村会議員さんの佐藤さんが案内して下さったのですが、少々恐縮してしまって、わがままがあまり言えず(それでも結構言ったのですが)、思うような取材ができなくて。結局、再度家族で行くことになってしまいました。

牛のイラストはその時に撮れた写真をもとに描いたものです。ここのアイスクリームは最高においしかったですよ。(2000.2)


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